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12月05日-03号

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  1. 和歌山市議会 2019-12-05
    12月05日-03号


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    最終取得日: 2021-06-07
    令和 元年 12月 定例会                令和元年          和歌山市議会12月定例会会議録 第3号            令和元年12月5日(木曜日)     -----------------------------議事日程第3号令和元年12月5日(木)午前10時開議第1 会議録署名議員の指名第2 一般質問     -----------------------------会議に付した事件日程第1 会議録署名議員の指名日程第2 一般質問森下佐知子君、西風章世君、中村朝人君)     -----------------------------出席議員(38名)  1番  井本有一君  2番  中村朝人君  3番  赤松良寛君  4番  浜田真輔君  5番  堀 良子君  6番  西風章世君  7番  山中敏生君  8番  川端康史君  9番  永野裕久君 10番  中庄谷孝次郎君 11番  山野麻衣子君 12番  中村元彦君 13番  中谷謙二君 14番  丹羽直子君 15番  森下佐知子君 16番  坂口多美子君 17番  吉本昌純君 18番  園内浩樹君 19番  中塚 隆君 20番  薮 浩昭君 21番  山本忠相君 22番  芝本和己君 23番  戸田正人君 24番  松井紀博君 25番  井上直樹君 26番  古川祐典君 27番  姫田高宏君 28番  南畑幸代君 29番  尾崎方哉君 30番  奥山昭博君 31番  中尾友紀君 32番  松本哲郎君 33番  寒川 篤君 34番  北野 均君 35番  佐伯誠章君 36番  山本宏一君 37番  宇治田清治君 38番  遠藤富士雄君   ---------------説明のため出席した者の職氏名 市長         尾花正啓君 副市長        森井 均君 副市長        小林弘史君 市長公室長      犬塚康司君 総務局長       前 寿広君 危機管理局長     岡崎州宏君 財政局長       川嶋正起君 市民環境局長     和田年晃君 健康局長       佐伯正季君 福祉局長       宮崎 久君 産業交流局長     榊原佳寿君 都市建設局長     森 泰之君 会計管理者      山下勝則君 教育長        富松 淳君 教育局長       津守和宏君 消防局長       山下直樹君 公営企業管理者    瀬崎典男君 企業局長       白井光典君 選挙管理委員会委員長 川端正展君 代表監査委員     森田昌伸君 人事委員会委員長   水野八朗君   ---------------出席事務局職員 事務局長       中野光進 事務局副局長     中西 太 議事調査課副課長   志賀政廣 議事班長       森本剛史 企画員        竹下裕威 事務主査       國定正幹 事務主任       平岡直樹 事務主任       中本庸介 事務副主任      中西真央   ---------------          午前10時00分開議 ○議長(井上直樹君) ただいまから本日の会議を開きます。   --------------- △日程第1 会議録署名議員の指名 ○議長(井上直樹君) 日程第1、会議録署名議員の指名を行います。 本日の会議録署名議員は、会議規則第80条の規定により、議長において   宇治田清治君   中尾友紀君   松井紀博君 以上3人の諸君を指名します。   --------------- △日程第2 一般質問 ○議長(井上直樹君) 次に、日程第2、一般質問を行います。 順次質問を許します。 森下佐知子君。--15番。 〔15番森下佐知子君登壇〕(拍手) ◆15番(森下佐知子君) 皆さん、おはようございます。 質問に先立ちまして、昨日、ペシャワール会中村医師が銃撃に襲われて、倒れられて命を失うという衝撃が走りました。お昼のニュースの時点では、まだ命に別状はないということであったのに、夕方には亡くなられたというニュースを聞いて、本当に驚きましたし、悲しみを禁じ得ません。NGOといえば中村医師と言っても過言ではない大きな役割を果たされてきた中村医師の、この損失は、日本だけではなくて、世界にとっても大きな損失になったのではないでしょうか。心から哀悼の意を表したいと思います。 それでは、議長の指名がありましたので、一般質問を行います。 今回は、市長の政治姿勢についてという通告をいたしております。 この間、新聞報道で明らかになった和歌山市行政に関する一連の事件に関して、詳細を明らかにしつつ、これからの市政運営の本来のあり方についてただしたいと思います。 10月24日の新聞報道によると、芦原地区連合自治会長が、2014年の和歌山市が発注した公共事業を落札した業者に対し、協力金と称して30万円を詐取していたという容疑で逮捕、連合自治会長に就任した2012年以来、市の担当者に指示し、芦原地区公共事業を落札した業者に挨拶に連れてこさせ、地区への協力金名目で落札額の一部を支払わせ、私的に流用していた、そしてこれは常態化していたということです。 市は、10月24日、資料提供として、市長、副市長、人事課、自治振興課人権同和施策課建設総務課から、公共工事への協力金問題や芦原連絡所芦原文化会館私的占有の問題、今後の調査の3点について明らかにしました。 また、市長は、この件で、11月14日、自治会連絡協議会でこの問題に触れたほか、その後の報道陣の質問に対して、不適切な関係や対処をせず放置していたことなどを挙げ、反省しなければならないと述べられています。 さらに、市として、11月18日、人事課から22名の職員の処分についての報告もありました。処分の内容は、業者からの相談に対する適切な対応を行わず放置した、パーティー券売却への協力を勤務時間中に行った、公共施設私的占有を知りながら放置したということに対する懲戒処分となっております。 新聞紙上では、この逮捕を皮切りに、11月に入ってからも、14日から連日のように次々と問題点がほかにも波及する報道がされています。その中には、芦原地区特別対策協議会との関係も取り沙汰されていました。 芦対協の市への要望を聞く際、恫喝されたことに対するプレッシャーを職員が感じていた、小学校の設備の改善や公営住宅など無理な要望をされるのが怖かった、夜中まで無理な要望をされることもあったなど、市長は記者会見の中で、職員が重圧を感じていたと説明した上で、芦対協との関係を見直すと言われました。そして、今議会の冒頭の挨拶において、芦原地区特別対策協議会とは、今後、交渉しない、全体の奉仕者として対応すると言及されました。 市は、現在、調査を継続中ということで、今後、新たなことが出てくる可能性も否定できません。 いずれにしても、市の公共事業がゆがめられたということ。市長は、記者会見などで、長年の慣例などと言っていますが、これは慣例などではなく、市が不当要求に屈してきたという重大な側面を持っており、知っていながら見て見ぬふりをしてきた、そういう土壌をつくってきた市の責任は大きいと言わねばなりません。市長は、これをどう受けとめ、どうしていこうとしているのかが問われています。 そこで、お伺いいたします。 まず、大きな1点目、芦原連合自治会長の逮捕にかかわって幾つかお伺いいたします。 芦原連合自治会長が市の公共事業に対する協力金を求めていたのはいつからですか。 昨年12月19日に、市長名で「和歌山市発注工事等における暴力団員等による不当介入に対する措置について」という文書が業者宛てに出されていますが、この時期に出した理由は何でしょうか。今回の事件との関連はどうでしょうか。 11月18日付で職員の処分が発表されましたが、市役所職員かかわりはこれに限らないと思われます。現時点でわかっている実態はどのようなものでしょうか。 住民団体とされる芦原地区特別対策協議会が職員への圧力となっていたとされていますが、この団体との交渉、圧力の内容とはどんなものでしょうか。このような圧力がまかり通ってきた原因をどのように考えますか。 市長は、長年にわたるあしき慣例を廃止するとの記者発表を行っていますが、このような事件が起こった背景、そして原因をどのように捉えていますか。 大きな2点目として、公共施設の利用のあり方についてお伺いします。 芦原連絡所及び芦原文化会館における芦原地区連合自治会長の占有はいつからで、その実態はどういうものでしょうか。また、それを許した原因はどこにあったと思われますか。 先日、芦原文化会館の貸し借りをめぐって、地域外の人には貸せないという市長名での通知がありましたが、市長はそのことを知っていますか。また、文化会館の運用のあり方について、地区外は貸せないということは成り立つのでしょうか。 以上をお尋ねいたしまして、第1問といたします。(拍手) ○議長(井上直樹君) 尾花市長。 〔市長尾花正啓君登壇〕 ◎市長(尾花正啓君) おはようございます。15番森下議員一般質問にお答えします。 芦原連合自治会長の逮捕にかかわって、私に5点いただいております。 まず1点目、芦原連合自治会長が市の公共事業に対する協力金を求めていたのはいつからかとの御質問でございます。 現在、調査は継続中ですが、現時点では、平成28年度の協力金に係る処分事案以外は確認できておらず、いつから協力金を求めていたのかは把握できておりません。 2点目、昨年12月19日に、市長名で「和歌山市発注工事等における暴力団員等による不当介入に対する措置について」という文書が業者宛てに出されているが、この時期に出した理由は何か。今回の事件との関連はどうかとの御質問でございます。 平成30年12月に、和歌山西警察署から、芦原連合自治会長公共工事受注者に対する不当要求疑惑について、私に捜査協力の要請がありました。 これを受けて、「所轄の警察に通報等が遅れた場合であっても、不当介入に関する捜査や調査に協力的で、かつ、今後の暴力団員等による不当介入の防止につながると認められる場合は、指名停止を行わない。」との旨の記載をし、関係業界に捜査協力を促すために通知したものでございます。 3点目、11月18日付で職員の処分が発表されたが、市役所職員かかわりはこれに限らないと思われる。現時点でわかっている実態はどのようなものかとの御質問でございます。 11月18日付の処分以外の不適切な実態として、夏祭り等への多人数による出席については私自身も確認しています。そのほかに、年末年始や人事異動時期に多人数での挨拶行為もあったと報告を受けております。 4点目、住民団体とされる芦原地区特別対策協議会が職員への圧力となっていたとされているが、この団体との交渉、圧力の内容とはどんなものか。このような圧力がまかり通ってきた原因をどのように考えるかとの御質問でございます。 芦原地区特別対策協議会は、生活環境等の諸問題解決のための協議の場として、創設以来、本市と交渉が続けられてきました。 職員からの聞き取りでは、修繕などの要望事項が通らないと、芦対協で課題にする、芦対協にはヘルメットをかぶってこいなどと恫喝されることが多々あったため、協議会会長との関係を築いておこうとしたことが原因であると考えています。 5点目、市長は、長年にわたるあしき慣例を廃止するとの記者発表を行っているが、このような事件が起こった背景、原因をどう捉えているかとの御質問でございます。 公共施設私的占有や私的なパーティー券販売の協力など、長年にわたるあしき慣例は、芦原地区特別対策協議会の場において、職員が糾弾されることを過度に恐れていたことが背景にありました。そのため、関係職員にとって同協議会の会長との関係を維持する必要があり、これまでと同様の対応をせざるを得なかったことが原因であると考えております。 次に、大きな2点目、公共施設の利用のあり方について、私に2点いただいております。 1、芦原連絡所及び芦原文化会館における芦原地区連合自治会長の占用はいつからで、その実態はどういうものか。また、それを許した原因はどこにあったと思うかとの御質問でございます。 芦原連絡所につきましては、平成23年の竣工当時から、一部の会議室を私的占有されていました。また、芦原文化会館につきましては、倉庫などに私物が置かれていたことが判明しました。職員が慣例的なものと認識していたことが原因だと考えます。 次に、先日、芦原文化会館の貸し借りをめぐって、地域外の人には貸せないという市長名での通知があったが、市長はそのことを知っているのか。また、文化会館の運用のあり方について、地区外は貸せないということは成り立つのかとの御質問でございます。 文化会館の貸し館の使用許可については、人権同和政策課の専決業務となっているため、把握しておりませんでした。確認したところ、今回の隣保館使用許可申請書は、目的に合致していなかったため、不許可と回答したとの報告を受けました。 今後は、広く住民に使っていただけるよう検討してまいります。 以上でございます。 ○議長(井上直樹君) 15番。 〔15番森下佐知子君登壇〕(拍手) ◆15番(森下佐知子君) 市長から答弁をいただきましたので、再質問をさせていただきます。 まず、芦原連合会長にかかわる事件について、いつから協力金を求めていたかと尋ねました。平成28年度--2016年度の事案以外は把握できていない、まだ調査中であるということです。常態化していたのではないかということも指摘をされていました。 そのことにかかわって、2018年--平成30年12月に出された文書についてもお伺いをいたしました。2018年--平成30年12月に西警察から捜査協力の要請があったと、そして業者に宛てて通知をしたというお答えでした。まさに、この事件のために行ったということでございます。 この文書は、もともとは平成20年、8年前の2月7日に、暴対法とのかかわり不当介入を受けたにもかかわらず、市や所轄の警察に通報、報告しなかったときには指名停止を行うとの項目を追加した文書が出されました。それが初めての文書の通知です。しかし、それ以後は出されたことはありませんでした。それが8年たって出されてきたということについて、私も非常に違和感を覚えたわけですけれども、まさにこの事件のために、捜査協力があったために、これを通知したという市長からのお答えでした。 ここで一つ、匿名の手紙を紹介したいと思うんです。ちょうど、この事件のために捜査協力があったということの前後してだと思うんですけれども、我が党議員団に寄せられた匿名の手紙です。 私は、建設関係の仕事を長年にわたりしていますが、腐り切った市役所及び市職員の体質に我慢ができません。数年前に和歌山市発注の芦原地区の仕事を受注した際の私の大変不愉快な経験を報告いたします。 工事を落札した後、市職員に言われて、工事担当市役所職員3人と芦原地区連合会連合会長、ほかがいる芦原地区会館の応接室に連れていかれました。そこで、市職員に連合自治会長がちょっとした出来事で大声でどなり上げ、大変怖い、不愉快な思いをさせられました。その後、市職員が予定金額と落札金額と落札パーセントを彼に報告し、市職員は退出しました。市職員が退出した後、会長の態度が変わり、世間話をして、連合自治会子ども会に寄附金を強要されました。私の場合は、子ども会の寄附金ということで10万円だったのですが、私の知り合いで請負金額の3%から10%を要求された業者もあります。これは、やくざの世界では上納金ですよね。それを断ると仕事への難癖が待っています。そのために1カ月も仕事がおくれた業者のことも知っています。 和歌山市が、この文書、平成30年12月19日に出した和歌山市発注工事等における暴力団員等による不当介入に対する措置についての文書を出しましたが、私はこれを読んで唖然としました。私は、工事を受注した後、芦原地区連合会に挨拶を和歌山市の職員と一緒に行かなければならないということも、お金を取られるということも知りませんでした。担当の市職員が、落札した業者を一緒に芦原自治会館に連れていき、挨拶をさせるということ、そして受注金額を彼に報告することは、和歌山市が彼の手先になり、彼の不当介入を手助けしていることではないのでしょうか。その和歌山市が、何の反省も担当職員の処分もなく、厚顔無恥にもこんな文書をよく出せたものですね。和歌山市の幹部職員は、全くこんなことがあるなんて知らなかったのでしょうか。和歌山市の幹部の人たちは、このようなことは業者だけが勝手にしているので、和歌山市には関係がない、責任がないと思っているようにしか見えません。こういう腐った体質は、担当職員が長きにわたって行っていることです。ぜひともメスを入れていただきたく思いますという文章です。 大変驚いたわけですけれども、ちょうどこの時期と一致をするわけで、業者の方からの怒りの声であるわけです。 市長は、警察から捜査協力の要請があって、通報がおくれても、不当介入の防止につながると認められる場合は指名停止を行わないことを記載した上で捜査協力を促したとおっしゃいましたけれども、設計や建設に携わる業界の方々からすれば、今までずっと市の職員が同行していながら、今さら何を言っているのかという怒りの声は、私は当然だと思います。連合自治会長と同じ立場の市が、どんなつもりでこの文書を出したのかという、市に対する不信感ともなっているんじゃないんでしょうか。 市職員のかかわりの実態をお聞きしました。年末年始や人事異動時期における挨拶、夏祭り等への催事への出席などの不適切な実態があったことを確認したと言われました。 新聞報道によりますと、市の職員は金銭要求は知らなかった。つまり、先ほどの手紙にもありましたけれども、市の職員は一旦退出させられるわけですよね。だから見ていない。うわさ程度には知っていたというふうに報道にはあります。しかし、本当に見ていないから、うわさ程度には知っていたという、その程度のことなんでしょうか。結果として業者が大金を払うことになったのは、職員の指導が不適切だったため。そして、人事課の報告は、130人の職員にヒアリングを実施し、連合自治会長と面識のある職員に聞き取り調査をし、今後も継続するというふうに報道をされています。 職員の指導が不適切だったため。そもそも、指導などされていたんでしょうか。業者からの怒りの手紙にもあるように、市役所ぐるみだと思われても仕方がないんじゃないんでしょうか。 芦対協がなぜ職員への圧力となっていたのか、その原因についてお伺いをしました。要望が通らないと恫喝された、そういうことから彼との関係を築こうとしたという御答弁でした。 芦対協とは、そもそも何なのか。1979年に発足し、同和対策事業の一環として200万円の補助金が交付をされてきました。それは、今は出されてはおりませんけれども、市が11月22日に出した文書によりますと、1977年--昭和52年2月に県が庁内組織として対策協議会を設置、2年後の1979年--昭和54年10月に市が庁内組織として設置、同年11月に地元組織として立ち上げられております。その後、県と市は解散しましたけれども、地元の協議会は今も存続をしている。これは、特別法に伴う地域改善対策事業にかかわって設置をされたもので、つまり同和対策事業そのものではありませんか。 ことしの市報わかやまの人権特集号に「えせ同和行為にご注意を!」という文章が載せられております。「『同和問題はこわい』という誤った意識が、まだ人々に根強く残っています。このことに乗じて、同和問題を口実に何らかの利益を得るために企業や行政機関などに不当な圧力をかけることを『えせ同和行為』といいます。このような行為は、同和問題の解決を妨げる大きな要因となっています。えせ同和行為に遭遇した場合は、『検討します』などのあいまいな発言をせず、毅然とした態度で断ってください。また、そのような行為があれば人権同和施策課までご連絡ください。」という文章が載せられています。 連合自治会長がやっていたことは、まさに芦対協という後ろ盾を利用した、えせ同和行為にほかならないのではないでしょうか。 事件の背景、原因はどこにあるのかとお聞きをしました。公共施設私的占有パーティー券販売の協力、これは芦原地区における業務を円滑に進めるため、会長との関係を維持する必要があったとの御答弁です。 これは、連合会長個人の問題なんでしょうか。これは、記者会見の中で、記者からも聞かれていると思います。それは、当然、誰もが湧いてくる疑問ではないでしょうか。市長は、そうだと思いますと答えていますが、果たしてそうでしょうか。市長は、新聞紙上でも、うみを出すと言われたということを報道されていますが、このような認識で本当に真相は明らかにできるのでしょうか。私は、甚だ心もとないと言わなければならないと思います。 芦対協は、40年間続いてきた組織であり、これがバックにあったからこそできた圧力であることは明々白々です。こういう土壌が築かれてきたということにこそ、メスを入れることが必要ではないでしょうか。 公共施設の利用についてお伺いをしました。公共施設が私物化されたという問題について、芦原連絡所は竣工当時から一部会議室を私的占有芦原文化会館は倉庫に私物が置かれていた、これを職員が慣例的なものと認識をしていた。およそ考えられない異常な状態であると言わなければなりません。また、職員が慣例的なものと認識していた。一体何を考えているのかと言わなければならないと思います。 これを許した原因はどこにあるのかと、そのことについては明確な答えはなかったように思います。私は、この文化会館の今のあり方、閉鎖的とも言える現在の運用のあり方がつくり出したものではないかというふうに思います。 そして、先般、地域外の人には貸せないという運用のあり方を市長に知っているかとお尋ねをしました。報告を受けたと、目的に合致していないため、不許可としたという報告を受けたという答弁でした。 不許可の理由を市長は知っていますか。地区外の人が会議で使用することはできないため、こう書いてあったんですよ。要綱の中身には、そんなことは何も書かれていません。 市民の方は、あいている日等を受付で確認し、申請をしました。貸すかどうかの通知は、1週間後に通知をされました。この1週間の間、誰がどう判断してこの答えになったんでしょうか。しかも、申し込み者が地区外だから貸さないという理由です。地区とは一体どこを指すんですかという市民からの質問に、芦原地区の町名を列挙したという事実があります。あれこれの理由をつけて貸さないということが、一体誰の利益になるんでしょうか。地区内、地区外と壁をつくって、周辺地域とのかかわりを阻害している、行政がつくり出した大きな問題だと言わなければなりません。こんな閉鎖的な、限定的なやり方をしている自治体がどこにあるんでしょうか。 公共施設でありながら、一個人の利益につながり、私物を置くという結果を生み出しました。特別法の失効前に、地域のコミュニティセンター的な扱いをするようにとの厚労省の通達をどう理解してきたのでしょうか。要綱の地域住民という意味を殊さら狭めて限定し、運用することを目的にした、そういうものではないはずです。市のやり方は、その趣旨に反するものです。 全国隣保館連絡協議会という組織があります。この全隣協が出した隣保館の基本認識--隣保館の対象地域は特定の地域に限定されないのが原則。これについて、日本の施設が特定の地域に集中された経験を評価するが、本来の使命を自覚すべきである。特に、日本の社会が開かれた社会となり、国際的に人権問題が重視されようとしているときに、日本の隣保館が同和対策のみ機能することは妥当ではない。特定地域の実態は、閉鎖的な運営から全ての住民に開放さすべきである。以上のような考え方は、特別法の失効いかんにかかわらず、隣保館事業の基本として守られるべきである。これが基本認識であり、2005年--平成17年に出されているものであります。 この基本認識に照らしても、これまで和歌山市が行ってきた運営のあり方、これは趣旨に反するものだと、この点でも言えると思います。 そして、これまでの文化会館のあり方は、今回の問題とも深くかかわっているのは指摘点を見ても明らかです。特別な地域の特別な公共施設で特別な計らいをすることが公共施設を私物化させました。 以上のことから、再度、質問させていただきます。 文化会館内にあった事務局の詳細を明らかにしてください。その位置づけは、どんなもので、担当職員の範囲はどうでしょうか。芦対協という組織が、特別法が切れた現在まで続いていたことに対する市長の認識はどうでしょうか。 警察が動くまで、市がこれほどの長期間、何ら手を打つことができなかったその根本原因はどこにあると思いますか。 現在も調査を継続中とのことですが、現職員だけではなく、このような実態をつくり出した背景について、職員OBなどにも協力を依頼し、明らかにする必要があると思いますが、どうでしょうか。 また、公共工事にかかわって、市の職員は協力金の受け渡しを見ていないと言っていることを考えても、弁護士などを入れ、第三者委員会のような機関をつくって調査を進めるべきだと思いますが、いかがですか。 市長は、特別法の失効前後、出された地対協の意見具申や全国隣保館連絡協議会の基本認識などに照らして、和歌山市の文化会館の運営が、いまだ地区内、地区外などと区別をしていることをどのように考えますか。 以上をお伺いして、再質問といたします。(拍手) ○議長(井上直樹君) 尾花市長。 〔市長尾花正啓君登壇〕 ◎市長(尾花正啓君) 15番森下議員の再質問にお答えします。 まず、文化会館内にあった事務局の詳細を明らかにされたい。その位置づけはどんなもので、担当職員の範囲は。芦対協という組織が、特別法が切れた現在まで続いていたことに対する市長の認識はどうかとの御質問でございます。 芦原地区特別対策協議会は、昭和54年11月に地元の組織として設置されました。同協議会の要綱で、協議会の事務局は芦原文化会館に置くとなっています。職員は、事務局の担当として、同協議会開催に伴う会場の設営や地元の要望事項の取りまとめを行ってまいりました。 芦原地区特別対策協議会は、平成14年3月に地域改善対策特定事業に係る国の財政上の特別措置に関する法律が失効した時点で、県、市、地元で行っていた芦原地区特別対策連絡協議会が解散となり、同時に県と市の芦原地区特別対策協議会も解散となりました。しかし、地元の芦原地区特別対策協議会だけが存続し、同協議会の中に事務局を置いたまま交渉を続けていたことが、あしき慣例につながったものだと認識しております。 次に、警察が動くまで、市がこれほどの長期間、何ら手を打つことができなかった、その根本原因はどこにあると思うかとの御質問でございます。 不当介入に係る協力金については、平成30年12月に警察から芦原連合自治会長不当要求疑惑についての捜査協力の要請を受け、市のほうから業者に対し協力要請を行ったところ、平成31年2月に私のところに協力金を支払わされたとの訴えがあり、協力金の存在を確認できたところです。 その後、調査を進める中で、公共施設占有や私的パーティー券の販売などのあしき慣例が判明しました。その原因としては、芦原地区特別対策協議会での要求が出席する職員にとって大きなプレッシャーとなっており、その上、現会長を過度に恐れるが余り、毅然とした対応をとることができず、会長の言いなりに近い状態になっていたことが大きいと考えております。 次に、現在も調査を継続中とのことだが、現職員だけではなく、このような実態をつくり出した背景について、職員OBなどにも協力を依頼し、明らかにする必要があると思うがどうか。また、公共工事にかかわって、市の職員は協力金の受け渡しを見ていないと言っていることを考えても、弁護士などを入れた第三者委員会のような機関をつくって調査を進めるべきだと思うがどうかとの御質問でございます。 現在、行っている調査は、現芦原連合自治会長が会長になった平成24年度からの芦原地区公共工事等を対象にしております。在職中の正規職員はもとより、退職後の再任用職員への聞き取りを行い、当時の状況把握に努めているところです。 また、警察の捜査も行われていることから、第三者委員会のような機関の設置については考えておりません。 最後に、市長は、特別法の失効前後、出された地対協の意見具申や全国隣保館連絡協議会の基本認識などに照らして、和歌山市の文化会館の運営が、いまだ地域内、地域外などと区別していることをどのように考えるのかとの御質問でございます。 本市の文化会館の運営については、社会福祉法並びに隣保館設置運営要綱、和歌山市隣保館条例により運営しているもので、使用許可においては、使用目的や地域内外により判断しております。 地域改善対策協議会意見具申には、隣保館について、周辺地域を含めた地域社会の中で、福祉の向上や人権啓発の住民交流の拠点となる開かれたコミュニティセンターとして発展していくことが望まれるとあるように、広く地域内外の住民が使用できるよう検討してまいります。 以上でございます。 ○議長(井上直樹君) 15番。 〔15番森下佐知子君登壇〕(拍手) ◆15番(森下佐知子君) 再々質問に入らせていただきます。 少し順番が変わりますが、御了承ください。 まず、警察が動くまで何ら手を打つことができなかった根本原因はどこにあるかとお伺いをいたしました。不当介入に係る協力金の存在を知ったのは、ことしの2月。その後、公共施設の占有やパーティー券の販売などを知った。芦対協の要求がプレッシャーになっている上に、現会長を過度に恐れる余り、毅然とした態度をとることができない、いわば言いなり状態だったというお答えでした。 協力金については、その求め方からしても、詐取という点で刑事事件として警察がこれからも調査をすると思われます。 しかし、市は主体的に原因を解明する責任があると私は思います。 職員OBへの聞き取り、そして第三者委員会を立ち上げてはどうかという提案をいたしました。2012年からの工事を対象にしていると、そして在職中の職員や再任用の職員に聞き取りを行っていると。つまり、現会長が連合会長になったとき以降ということ。公共事業の協力金に関してはそうかもしれませんけれども、本来の市の主体性を欠いていた、そういう土壌をつくってきたという市自身が襟を正してうみを出すと市長が言ったということを考えても、それで十分かどうかということが、今、一番問われていると思います。 例えば、パーティー券の購入が人権同和施策課を窓口にしていた、そして引き継ぎがあって断れなかった、こんなことが言われています。人権同和施策課が窓口になっていること自体、この問題の背景をあらわしているのではないですか。 少し前になりますけれども、現会長が連合自治会長になる前にもいろいろな問題が起きており、そのことが議会でも取り上げられていました。これは、2010年6月の議会のときに、大艸主馬議員が取り上げた質問がありました。当時の市長が、この芦原対策協議会の主催した忘年会に出席していたという問題、それをただしたわけであります。そのときの議事録から少し抜粋をして紹介したいと思います。 2007年12月14日付の報道ワカヤマ--これは地域の雑誌ですけれども--で、地縁団体の役員から住宅改修にかかわり不当要求があったことを和歌山市が発表した。その6日後に、当該団体が開いた忘年会に、市長、副市長、局長、部長ら市幹部が多数出席していたという報道がありました。 その報道によると、「市営住宅の修繕工事を随意契約にするよう求める『不当要求』があったことを和歌山市が発表した6日後の先月22日、この地縁団体が開く忘年会に市長を初め副市長や局長、部長ら市幹部が多数出席していたことが分かった。不当要求問題は、公益通報制度に基づき市職員が外部相談員の弁護士に通報して発覚。通報した職員は団体の催事に複数の市幹部が出席したり、団体役員の関係する飲食店への出入りがあったことも合わせて問題視。市人事課も『そのようなつながりが今後どのように発展するかも知れず、好ましい行為ではない』と指摘をしていた。市職員からは『通報した職員の勇気ある行動をないがしろにする行為だ』と怒りの声があがっている。」「市長も記者発表後に『不当要求については断固として排除しなければならない。こうした不当要求事例が慣習化の中に埋もれていないか気になる。再点検をし、対策強化に努める』とコメントしていた。」と、こういう報道があったということに対して、この事実関係について、大艸議員は、当時、市長に尋ねました。 その市長の答弁です。「議員御指摘の団体の場合も、一部役員が行き過ぎた不当要求行為を行ったことは事実でありますけれども、その他多くの皆様は、地域の問題に真剣に取り組んでおられる方々でございますので、親睦を深めるためにも、私や幹部職員は忘年会に参加いたしたもの」、こんな答弁をしました。 大艸議員は、再質問で、「報道ワカヤマについて事実であるとの御答弁でした。市長を初め市の幹部は、だれの指示で出席されたのですか。また、何人出席しましたか。その後、どのように対応されているのか」を聞きました。また、不当要求を行った個人が、役員を務める団体とはどのような団体かと、過去と現在における行政とのかかわり、補助金の有無、これについて答えてくださいと、和歌山市に対して要求書や交渉をされているかということについても再質問をしています。 市長のこの大艸議員の再質問の答弁はこうです。忘年会の話ですが、「市幹部職員の参加は何十人ということを記憶しております。私も含め、参加した職員は、それぞれ自主的に参加したものでございます」「懇親を深めるために、私や幹部職員はその後も参加しております」、こう答えているわけですね。「この団体は、地元住民の方々で構成され、地域の課題の解決を目指す任意の団体でございます。行政とのかかわりにつきましては、過去、現在ともに、当該団体と行政が地域の諸問題に対し、必要に応じ協議を行ってきた」「当該団体は、市へ要望書を提出し、交渉も行っております。過去におきましては補助金を出していたこともございます」。 この市長の答弁に対して、大艸議員は、再々質問で、地域の方々が一生懸命やっているとか、そういう尺度ではないんだと、特別な対策をするという、そういうところを問題にしているんだと、忘年会へ自分の意思で出席したとか、一般的な自治会へ参加するとか、そういうことではなしに、市の職員に対して不当要求があったという、そういう事実から出発していると、一生懸命やっている職員が勇気を持って告発をしたのに、その職員を守ってあげやなあかん。それやのに、その後で開催されたその団体の忘年会に平気で出席をしているということを大艸議員は問題にしたわけです。行政の機能とか役割から見て、こういうのを是正する必要がある、事務的には、任意団体と必要に応じて協議をしてこられたと、昨年1年間で一体それは何回あったのか、また、職員の出席状況についても言いなさいと再々質問で聞かれました。 最後、当時の市長は、「忘年会への出席につきましては、先ほども申し上げましたが、あくまで自主的に参加しているもので」と、こう答えているわけですね。 自主的に参加しているということが成り立つんでしょうか。市の職員だから、行くことに意味があるんですよ。一般人だったら意味がないわけですよ。市の職員だから、呼ばれていく。向こうも、市の職員だからということで意味がある。だから、こういうことを是正するべきだということを迫ったわけですよね。これは、何も現会長のときではありません。それ以前に行われていたという、これは延々、営々と続けられてきたものなんですよ。 そして、もう一つ御紹介したいものがあります。これは2012年に、これも我が党に届いた市民からの匿名の手紙です。2012年ですから、もう大分前です。 先日、市役所に努めている義弟から別紙のような文書--これ公文書なんですけれども、後で紹介します--市役所では、4月1日に人事異動があり、前の所属部や新しく着任した部の関係する県の担当部署や各種団体等へ挨拶に行くそうです。民間会社でも異動があって、新しく担当がかわれば同じですが、挨拶のために訪問した相手方がそのときに留守であれば、新任の挨拶がわりに名刺を言づけてきますが、市役所では違うのでしょうか。 芦原地区特別対策協議会という組織については、よくわからないので、今回の指摘については間違っているかもしれませんが、文章から推測すると、4月1日の異動時には会長が病気のために入院していたので挨拶を受けられなかったが、無事退院したので、会長へ改めて挨拶に行くことになったから、参加を促す趣旨のようです。義弟に聞くところによると、異動時に芦原文化会館に挨拶に伺ったが、そのときに入院していることを聞き、名刺を言づけてきたとのことでした。他の団体の方にも挨拶に伺ったが、会うことができなかった方には同じように名刺を言づけてきたようです。 文書は、人権同和施策課長から各関係局長への通知文であり、いわば市役所の公文書のようです。このような公文書を出すことは、この挨拶に行く行事は業務の一環であると理解していいのでしょうか。また、日時を指定しているので、4月20日の午前11時には市役所の幹部の大多数が本来の業務を離れ、芦原文化会館に集合することになるわけで、各部署の業務に支障はないのでしょうか。それとも、この日のこの時間には、各局長、部長の業務がないのでしょうか。このようなことは、以前からの慣習になっているのでしょうか。そもそも、挨拶に行くことは行政上必要だとしても、それはそれぞれ各部署の業務を考えた上で別々に行くのがいいのではないでしょうか。市民の声です。 この文書は、平成24年--2012年4月12日に人権同和施策課長から各関係局長様として出された文書です。 人事異動に伴う芦原地区特別対策協議会会長への挨拶につきまして、このことにつきまして、病気療養中で3月から入院をされていました会長様が、4月11日水曜日に無事退院されました。つきましては、人事異動によります会長への挨拶を行うこととなりましたので、次の日程のとおりお知らせをさせていただきます。なお、前回と同様、関係する新旧の部長及び課長にも御連絡をよろしくお願いいたします。日時、平成20年4月20日金曜日午前11時から、場所、芦原文化会館となっています。 何も現在の連合会長の時代に始まったことではないんです。ずっと続いてきたこと。この際、うみを出し切るというならば、現会長個人の問題に矮小化することは、私は許されないと思います。 今回、芦対協との関係を見直すというふうにしたことは、私は評価したいと思います。歴代の市長ができなかったこと。しかし、もっと大切なことは、業者が勇気ある告発を行ったことではないでしょうか。そして、それによって警察が動いたこと。 残念ながら、市が主体的にそういう関係を断ち切ろうとできなかったことは事実です。ならば、その不適切な関係の根本原因がどこにあるのかを本気で解明することが求められると私は思います。その典型的な事例が、文化会館私的占有と限定的な運用であることは論をまちません。 文化会館の実態についてお伺いをしました。文化会館に芦対協の事務局が置かれ、職員が事務局として協議会の取りまとめを行っていた。県や市の協議会が解散した後も、地元の存続にあわせて市がその肩がわりをしてきたということです。 私は、以前から、法の失効とともに役割を発展させ、地域のコミュニティセンター的な利用をという厚労省の通達を示し、隣保館事業のほかに、あいている日は一般開放せよとずっと求めてきました。その要綱を極めて限定的に解釈し、周辺地域にも利用を広げない、そのなれの果てが私的占有ではありませんか。 市長は、地対協の意見具申に照らして、広く地域内外の住民が使用できるように考えると言われました。もともと、要綱を限定的に勝手に解釈して運用してきたのは市ですから、今の要綱のままでも十分できることです。直ちに運用の改善を強く求めます。 現会長が自治会長になる以前から行われてきたことが、和歌山市の不当要求に屈する土壌をつくり上げてきました。現会長がこれほどまでに力を持つようになった、影響力を肥大化させたのは、まさに和歌山市自身だと言えると思います。その大もとは、特別扱いを続けてきた施策が背景にあり、その大もとを改善することこそ、新たなモンスターというべきものをつくらないことにつながるのではないでしょうか。 御紹介をした業者の手紙、不本意であっても同行させられていたかもしれない市職員の思いから見ても、残念ながら、市は信用されているとは言いがたいと思います。しかも、市は、現会長を20年表彰しています。市は及び腰だと言われても仕方がありません。 うみを出すと言うならば、えせ同和行為を成り立たせてきたその土壌にこそ、メスを入れるべきではないでしょうか。その一環として、私は第三者委員会の立ち上げ、職員OBへの協力を求めなければ、残念ながら明らかにならないということを申し上げたいと思います。 今回の業者の勇気ある告発を、決して無駄にしてはなりません。結果として、警察が動いたことがきっかけであったとしても、市は主体的に大もとを解明する責任があります。それができるのは、私は市長しかいないと思います。毅然とした態度を要求するなら、職員を守り、市長自身が特別な土壌とは決別するという勇気を持つことが必要だと思います。 特別対策を見直す機会の一つは、法の終結時にありました。和歌山市は、地対協の意見具申を真摯に受けとめることをせず、見直すと言いつつ課題を先送りしてきたという歴史があります。 私は、ことしの2月議会でも、意見具申の受けとめと、2016年の法制定の際につけられた附帯決議をも紹介をいたしました。今回は、見直しの大きなチャンスだと思います。今からでも遅くはありません。こういうことも含めて、本来のうみを出すという立場に立つのかどうか、そのことを含め、市長に再度答弁を求めて、私の一般質問といたします。(拍手) ○議長(井上直樹君) 尾花市長。 〔市長尾花正啓君登壇〕 ◎市長(尾花正啓君) 15番森下議員の再々質問にお答えします。 長年続いてきたあしき慣例の中で、今回のことを契機に、うみを出し切るつもりはあるのか。市長の決意はどうかとの御質問だと思います。 私は、昨年12月に警察の捜査協力を受けて以来、刑事事件への全面的な協力とあわせて、刑事事件にならない不適切な事案がないか、先頭に立って指揮してまいりました。そうした中で、長年にわたるあしき慣例やその理由が判明してまいりました。 今後、芦原地区連合自治会長及び芦原地区特別対策協議会との不適切な関係を断つよう、毅然とした態度で接するよう職員を指導するとともに、二度とこのような関係に陥らないよう、情報を一元化し、総務部職員相談専門監が窓口となって事業者や職員の相談を受けるとともに、不当介入や不適切な関係を決して許さない市役所にしてまいるつもりでございます。 以上でございます。 ○議長(井上直樹君) 次に、西風章世君。--6番。 〔6番西風章世君登壇〕(拍手) ◆6番(西風章世君) 皆さん、おはようございます。 それでは、議長のお許しを得ましたので、通告に従い一般質問をさせていただきます。 まず、女性のがん対策・支援について。 毎年10月はピンクリボン月間です。1980年代、まだ乳がんについての研究が浅かったころ、アメリカ合衆国のとある町で、乳がんで亡くなった女性の母親が、この女性の娘である孫に同じ悲しみを繰り返さないように願いを込めて手渡したのがピンク色のリボンであったことがきっかけで、乳がんについて知り、考えるきっかけをこの町に広め、草の根的な活動を通してアメリカ全土に広まったとされる一説があります。 日本でピンクリボン運動が一般的に認知されるようになったのは、2000年10月、支援団体が東京タワーをピンク色にライトアップしたことがきっかけで、日本では毎年10月にピンクリボン月間として、乳がんの早期発見・早期治療のため検診を勧める啓発運動をイベントやセミナーなどの開催を通し、行っているところです。 乳がん検診の受診率においては、アメリカ、フランス、韓国、イギリスが受診率70%から80%台であるのに対して、我が国の乳がんの受診率は、受診率向上のために効果が確認されている個別受診勧奨・再勧奨、いわゆるコール・リコールを行い、30%台だった受診率がやっと40%台へ増加したものの、依然として諸外国と比べて低い状況にあります。 現在、日本では12人に1人が乳がんにかかり、年間1万人を超える方が亡くなられています。早期発見、早期治療で必ず治るがんであることを訴え、受診率向上に力を入れていかなくてはなりません。 そこで、お尋ねいたします。 1、和歌山市制度の子宮頸がん、乳がん検診、それぞれの平成28年度から30年度までの受診率と現在の本市の受診率の目標を教えてください。 2、個別受診勧奨・再勧奨について、子宮頸がん、乳がん検診の個別勧奨通知が平成29年度までは対象者全員に通知されていたのを、平成30年度には対象者を5歳刻みに変更した理由と、どのような内容で個別受診勧奨・再勧奨を行っているのか、教えてください。 また、政府は、2024年度に向け、第2次がん対策推進基本計画として、がんになっても安心して暮らせる社会の構築や、がん患者の就労を含めた社会的な問題への対応を掲げました。 運転免許証の写真においては、昨年、医療用の帽子着用が認められたところです。 最近のがん治療については、通院治療が主流になり、女性の方の中には、抗がん剤治療を受けながら仕事をしなければならない方もおられます。抗がん剤治療による副作用は、人によって違いはありますが、髪の毛が抜け、ウイッグを必要とされる方もいます。乳がんの手術で乳房を全摘された方には、乳房補正具を必要とされる方もおられます。医療用ウイッグ、乳房補正具は、抗がん剤治療中の患者が就労や通院を含めた日常生活において必要なアイテムにもかかわらず、医療用控除や健康保険では対象外になっています。 このような状況を受け、がん治療に伴う医療用ウイッグ、乳房補正具購入を助成する制度を取り入れる自治体が増加してきました。本市のお考えをお聞かせください。 次に、ひきこもり支援体制についてです。 今、社会問題になっている8050問題。80代の親が50代の子供の生活を支えるという問題です。背景にあるのは、子供のひきこもりです。 ひきこもりという言葉が社会に出始めるようになった1980年代から1990年代は、若者の問題とされていましたが、約30年がたち、当時の若者が40代から50代、その親が70代から80代となり、長期高齢化。こうした親子が社会的に孤立し、生活が立ち行かなくなる深刻なケースが目立ち始めています。 ことし3月には、内閣府が初調査した、自宅に半年以上閉じこもっている40代から64歳の中高年のひきこもりが61万3,000人いるとの調査結果を発表しました。7割が男性で、ひきこもりの期間は7年以上が半数を占めました。 ひきこもりの原因は、退職したこと、人間関係がうまくいかなかった、病気、職場になじめなかった、就職活動がうまくいかなかったなどであり、40歳から44歳の層では就職活動の時期にひきこもりが始まった人が目立った。いわゆる就職氷河期だったことが大きく影響したのではないかという見方もあるとのことでした。 根本前厚労大臣は、「大人のひきこもりは新しい社会的問題だ。さまざまな検討、分析を加えて適切に対応していくべき課題だ」との発言があったとのことです。 先月11月26日には、政府が、就職氷河期世代の支援に向けて、官民協議会の初会合を首相官邸で開催、3年間の集中支援計画を策定して、正規雇用を30万人ふやす方針を打ち出しました。 この会合に参加していたひきこもり支援の団体は、「ひきこもり支援は就労支援に偏っている。まずは安心して自己肯定感を回復できる居場所が必要だ」との雇用に限らない柔軟な対応を要請したとのことでした。 このように大きな社会問題となっているひきこもり支援に対して、本市としても、ひきこもりの支援体制を整え、強化する必要があるとの観点に立って質問をさせていただきたいと思います。 本市におけるひきこもり支援は、現在、保健所の保健対策課におき、昨年の堀議員の質問の答弁では、精神保健福祉相談において、精神科医師や精神保健福祉相談員が御本人、家族からの相談に応じ、訪問支援や受診の勧奨などを行っているとのことでした。 しかし、ひきこもりの方全てが精神を患っているわけではなく、さまざまな窓口相談の中でひきこもりの方の情報が入ることも考えられます。健康局、福祉局においてのそれぞれの相談窓口、また、地域と密着する和歌山市社会福祉協議会に委託された今年度から始まった我が事・丸ごとの地域づくり推進事業でどのような支援活動が行われているのか、お答えください。 以上で第1問とさせていただきます。(拍手) 〔議長退席、副議長着席〕 ○副議長(松本哲郎君) 佐伯健康局長。 〔健康局長佐伯正季君登壇〕
    ◎健康局長(佐伯正季君) 6番西風議員の一般質問にお答えします。 女性のがん対策・支援について3点ございます。 1点目、和歌山市制度の子宮頸がん、乳がん検診それぞれの平成28年度から30年度までの受診率と現在の本市の受診率の目標はどのようなものかとの御質問です。 本市制度の子宮頸がん検診の受診率は、平成28年度16.4%、平成29年度15.9%、平成30年度14.9%で、乳がん検診の受診率は、平成28年度10.3%、平成29年度10.3%、平成30年度9.8%となっています。 現在の受診率の目標値として、平成30年度に実施した第2次健康わかやま21の中間評価において、子宮頸がん検診、乳がん検診ともに令和5年度における目標値を20%として取り組んでいます。 2点目、子宮頸がん、乳がん検診の個別勧奨通知が、平成29年度までは対象者全員に通知されていたのを、平成30年度には対象者を5歳刻みに変更した理由と、どのような内容で個別受診勧奨・再勧奨を行っているのかとの御質問です。 対象者全員への個別受診勧奨通知については、平成25年度から実施していましたが、その後、5年経過し、受診率に伸びが見られなかったため、平成30年度からは5歳刻みの節目年齢の方への通知に限定するとともに、新たな受診率の向上を図る手段として、タウン誌やテレビなどのメディアを活用した啓発を強化しました。市民の方の目につく機会をふやすことを目的に、本市のがん検診の制度内容や必要性についての記事を掲載し、がんの啓発月間での集中啓発を中心として、繰り返しによる啓発を行っています。 個別受診勧奨の内容については、本市のがん検診の受け方や対象年齢、自己負担額をお知らせするとともに、市内で受診可能な病院のリストを同封しています。さらに、再勧奨通知として、無料クーポン券を発行した方全員と個別勧奨通知を行った一部の方へ、往復はがきを利用した再勧奨及びアンケート調査を行い、受診勧奨に努めています。 3点目です。 がん治療に伴う医療用ウイッグ、乳房補正具購入を助成する制度を取り入れる自治体が増加してきたが、本市の考えはどうかとの御質問です。 がん治療による副作用は、患者へのダメージが身体的、精神的にも大きく、そのサポートが必要であると考えます。また、精神的な苦痛に加えて、医療用ウイッグや乳房補正具の購入費は、高額な治療費とあわせて経済的な負担が大きいと認識しています。 これらの用具の購入費を助成することは、療養生活や社会参加を促進する上で大切な要因の一つと考えますので、既に取り組んでいる中核市等の事業内容や利用状況などを参考にし、助成制度の必要性について検討してまいります。 次に、ひきこもり支援体制について、健康局においての相談窓口はどのようなものかとの御質問です。 健康局では、保健対策課が家族の方や地域包括支援センター、障害者委託相談支援事業所、地域若者サポートステーション、医療機関、福祉事務所などさまざまな関係機関から寄せられた情報をもとに、相談や訪問支援を本人や家族のニーズに合わせて行っています。 また、NPO法人エルシティオにひきこもりサポート事業を委託し、ひきこもりの方の居場所の提供や社会参加支援を行っています。 以上でございます。 ○副議長(松本哲郎君) 宮崎福祉局長。 〔福祉局長宮崎 久君登壇〕 ◎福祉局長(宮崎久君) 6番西風議員の一般質問にお答えします。 ひきこもり支援体制について、福祉局において、それぞれの相談窓口や我が事・丸ごとの地域づくり推進事業でどのような支援活動を行っているかとの御質問です。 ひきこもりにおいては、相談窓口への相談が家族など関係者からの最初のアクションになることが多いこと、また、ひきこもりとなる原因や置かれている生活環境など状況はさまざまであることから、福祉局では相談窓口の多様化に努めています。 生活支援課内の生活困窮者相談窓口においては、さまざまな理由により生活に不安を抱えている方の相談を受け付けており、就労に向けて支援が必要な方については、就労準備支援事業へとつなげております。 障害児者の生活に関するさまざまな相談に関しては、6カ所の相談支援事業所を設置し、在宅サービスの利用援助や社会資源の紹介などを行っております。 我が事・丸ごとの地域づくり推進事業においては、さまざまな悩みを受け付ける福祉総合相談窓口を開設しております。相談窓口で処理できない相談については、関連する機関につなぎ、情報共有するなどの連携をするとともに、関連する機関が複数にわたる場合には、必要な関係機関を交えて課題解決を目指す体制を整備しております。 以上でございます。 ○副議長(松本哲郎君) 6番。 〔6番西風章世君登壇〕(拍手) ◆6番(西風章世君) それでは、再質問をさせていただきます。 まず、女性のがん対策・支援についてです。 個別勧奨通知を5年刻みにした理由は、5年間経過して受診率が上がらなかったから。新たな手段として、新聞やテレビなどのメディアを活用した啓発を強化したとのことでした。 再勧奨通知については、往復はがきを利用した再勧奨及びアンケート調査を行い、受診勧奨に努めているとのことでしたが、残念なことに、受診率は伸びず、減少しています。他の対策を打つ必要があるのではないでしょうか。 今、商品プロモーションを行うマーケティング手法を公共政策に取り入れて、一般市民への普及、啓発を戦略的に行う取り組みがあるといいます。 がん検診の未受診の理由は、受ける時間がない、健康状態に自信があり必要性を感じない、がんが見つかるのが怖い、心配なときはいつでも医療機関を受診できるから等さまざまです。そのターゲットに合わせたメッセージを送る必要があるのではないでしょうか。例えば、私は大丈夫、健康状態に自信があるの人には、乳がんは今や誰しもが心配すべき問題ですとのメッセージ。また、がんが見つかるのは怖いの人には、早く見つけてしまえば乳がんは治りますのメッセージなど、工夫をして、しっかりと目にとまるような勧奨を行う必要があると思います。 目標の受診率20%を達成するための今後の対策をお示しください。 医療用ウイッグ、乳房補正具購入の助成についてですが、必要性について検討するとのことですが、抗がん剤治療は治療費も高額であり、心身ともに苦痛を感じるとお聞きします。 私の知人で経験者の方にお話を聞くと、しばらくの間は外にも出られなくて、誰にも会いたくないひきこもり状態だったと言います。少しでも医療費を抑えようと通院治療を選びましたが、抗がん剤治療により頭髪が抜け落ち、外に出るにはウイッグが必要な状態になりました。医療用ウイッグでも5万円から10万円ぐらいの値段がするそうです。仕事に行くようになってからは、できるだけウイッグと気づかれないものを選んだとのことで、かなり高額であったとのこと。少しでも補助をしていただけたら助かるのにと言っていました。 助成制度を導入しているところは、ウイッグと乳房補正具の両方を助成対象としているところ、ウイッグだけ助成しているところ、ウイッグ装着時の附属品まで助成対象にしているところ、所得制限を設けているところ、助成金額は上限1万円から3万円くらい。とても手厚いのは高崎市でした。ウイッグや附属品、帽子、補整パッド及びエピテーゼ、バスタイムカバー、市長が特に必要と認める補正具の中に乳房切除後の患部を保護するインナー、アイブロウ、つけまつげ、ネイルとありました。 助成制度を導入する自治体はふえています。市長、本市においても前向きに導入に向けて取り組みをお願いしたいと思いますが、いかがでしょうか。 次に、ひきこもり支援体制について再質問させていただきます。 健康局、福祉局のさまざまな窓口で相談される案件に向き合い、解決に向けて取り組みを行っていることは理解をいたしました。窓口の多様化に努め、さまざまな窓口から情報を得ることは、確かに大事なことではあると思います。 しかし、ここで考えなくてはいけないことは、1つ、ひきこもり状態の方は窓口には来られないということ。2つ、家族の方からの相談、また、ひきこもりとの情報が入ったときの支援体制が本市には整っていないということ。特に、40歳代から中高年の支援体制が整っていません。3つ、本市において訪問支援を行っているのは、現在、ひきこもり支援事業を行っている保健対策課が主に担っているだけだということ。4つ、家族の問題を外には出せないで我慢している家族がいること。 どうしたら、声なきSOS、窓口に来られないひきこもりの方に支援の手を差し伸べることができるのでしょう。どうしたら、訪問を含め、しっかりとした支援体制を整えることができるのでしょう。 ここで、支援体制が整っている幾つかの市町を紹介したいと思います。少し長くなりますが、済みません。 8月に会派内視察に行かせていただいた山形市では、ここは我が事・丸ごと地域づくりのモデル事業として、平成28年9月より、山形市社会福祉協議会へ委託により事業が開始されました。相談支援包括化推進員を福祉まるごと相談員との愛称で呼び、社会福祉協議会に1名、市役所生活福祉課に1名を配置。委託事業とは別に、社会福祉協議会独自にコミュニティソーシャルワーカーを3名配置。 コミュニティソーシャルワーカーというのは、既存する制度や法律だけで解決することができない、いわば制度のはざまの問題を住民と一緒に発見し、解決するために、大阪府が全国に先駆けてつくった専門職です。ひきこもり支援は、まさしくこの制度のはざまに置かれている人たちなのです。 山形市では、この全5名体制により、人口約25万人の市内全域で活動されています。福祉まるごと相談の中で8050問題の多さに気づき、まずは家族支援との思いから、80の集い、かたつむりの会を立ち上げ、同じ思いの家族の方たちが励まし合える機会をつくり、支援を行っているとのことでした。地域からひきこもりの情報が入って訪問をするときには、さまざまな案内のチラシを持ち、きょうはこの地域を全戸訪問していますと言いながら、相手への心遣いを忘れず行っていると話してくださったコミュニティソーシャルワーカーさんは、社会福祉協議会の輝くスーパー職員さんでした。 また、先日、厚生委員会で視察に伺いました宇部市では、ひきこもり相談支援充実事業としてNPOに委託をして、そこには、ひきこもり相談窓口の設置、家族支援、訪問支援、居場所の設置、就労準備支援、精神科医等のスーパーバイズが事業として行われており、NPOの責任者である山口大学医学部の山根教授が月5回のコースとして行う家族支援がとても印象的でした。ここにも、きらり輝く山根教授という責任者の存在がありました。 秋田県藤里町、人口3,800人の小さな町です。NHKのテレビで放映をされていました。ここできらりと輝くのは、町の社会福祉協議会事務局長の菊池まゆみさんでした。 2006年、ある介護福祉士さんから、あそこにもここにもひきこもっている人がいるよという相談から菊池さんの戦いは始まりました。地域住民の方の協力で集まったひきこもり状態の情報は113人。菊池さんたちは、全戸訪問に乗り出しました。悩みを聞くどころか、会えない。外に連れ出す方法として、卓球やカラオケなどの企画をしても誰も来ない。 あるとき、21歳のひきこもっていた若者が、突然社会福祉協議会の採用試験にあらわれました。そのことをきっかけに、彼らは働く場所を求めているのだと気づきました。失業者のための支援事業、ホームヘルパー2級などの研修を受けられる情報のチラシ配布。研修会には次々に人が集まり、ひきこもっていた人のために就労支援施設を開設。現在では、一般就労、中間的就労、医療・介護に結びつけた人、外に出ることができるようになった人、また、困ったことがあれば電話で頼ってくれるようになった人も含め、113人が何とゼロ人になったという感動的な結果を出しています。 最後に、豊中市社会福祉協議会のコミュニティソーシャルワーカーの勝部麗子さん。コミュニティソーシャルワーカーの生みの親でもあり、全国で第1号のコミュニティソーシャルワーカーです。何度もNHKの番組で取り上げられ、8050問題の名づけ親でもあります。2014年、NHKで放送された「サイレント・プア」というドラマのモデルにもなったそうです。 さて、コミュニティソーシャルワーカーは、制度のはざまに置かれている方の支援を行う人です。見守り、ローラー作戦、何でも相談のバックアップ、地域福祉ネットワーク会議、個別支援から地域づくりなどですが、豊中市では、大阪府の定めるコミュニティソーシャルワーカー養成講座を修了した18人のコミュニティソーシャルワーカーがいて、生活困窮者自立支援制度、また、生活支援コーディネーターとの連携の中、問題解決に挑んでいく任を担っています。 地域からの声なきSOSに向かう勝部さん、訪問しても、すぐに会えるわけではありません。名刺の裏側にメッセージを書き込み、その場に残すことを続ける。助けてと声を上げられない人へ、あなたを気にしている人がここにいますという思いを発信し続けるためです。年間2,000枚の名刺を使うという。2年間会えなかったごみ屋敷に住む人とも会うことができた。閉ざされた心の扉を開き、信頼関係を築いていく。解決へ。男性40歳、脳卒中、半身麻痺、人生を諦めた人への支援、二人三脚で社会復帰を目指す。厳しい社会の現実に心が折れそうになる。でも、私は諦めない、私たちが諦めるわけにはいかない。寄り添い続ける。勝部さんたちの諦めない心が男性の心を前向きにしていく力となる。 また、勝部さんは、コミュニティソーシャルワーカーにとって欠かせないものは住民力であると。豊中市は、人口40万人、高齢化率25.1%、自治会の加入率は下がってきており45.5%。市内に38の校区福祉委員会があるそうです。そこの地域活動において、イベント運営等はできても、個人支援はできていなかったのが現状でした。社会福祉協議会のボランティア登録もゼロ人であったとのこと。今現在、社会福祉協議会のボランティアセンターのボランティア登録数は約8,000人。さまざまな地域の困り事を人ごととせず、住民たちの力を持ち寄って解決していく仕組みがあると言います。 また、小学校校区に設置されている福祉なんでも相談窓口は、校区福祉委員会活動として、ボランティアの住民の方が身近な福祉相談の実施と専門機関への取り次ぎ、福祉サービスに関する情報の受発信を週に1回程度開設しています。ここが地域のSOSを掘り起こせるところだと、そこで得た相談事にコミュニティソーシャルワーカーがバックアップしているとのことでした。 ひきこもりの解決のため、居場所づくり、びーのびーのプロジェクトを立ち上げ、中間的就労、自己肯定感を高める得意分野に挑戦できる環境づくり等、さまざまな支援の中、このプロジェクトを卒業して就職できた人も多数輩出。 また、高齢者支援においても、豊中市のベッドタウン、ふえ続けるマンション、マンション内の孤独死が目立つ。マンションの管理組合に赴き、マンション単位での交流の場づくりでサロンやカフェを提案、倒れたときの緊急連絡先を記した見守りカードの作成などを提案し、現在、たくさんのマンションで活用し始めているそうです。 また、ある日、生協の宅配担当者から、配達先の高齢者のおひとり暮らしの家に新聞が3日分たまっているとの情報。そのときは、友人と旅行に行っていたとのことで事なきを得ましたが、情報をくれた事業所にすぐに訪問。気づきの感度を高めるために、今後、研修などを一緒に開催したいことを提案。重層的な支え合いのネットワークは広がっているとのこと。 さまざま聞いていると、限りない行動力と限りない発想力に尊敬と感動の念が込み上げてきます。 本市におきましても、高齢化が進み、自治会運営も危惧されているところではあり、ボランティアなんて人が集まるのかという地域によっては不安がありますが、勝部さんは、豊中が特別じゃない、きちんと地域を耕す活動をしていれば、どの地域でも必ずできることだと言います。地域を耕すということは、地域で困っている人を生み出さない仕組みを大切であると思える人たちをふやす活動だということだそうです。ボランティアを探すのではなくて、地域の課題を集め、伝えていく、具体的に協力してほしいと働きかけていくことだそうです。勝部さんの経験上、約6割の方がボランティアをしたいと思っていると。実際に行動を起こしているのは約1割。そう思えば、こちらの課題の伝え方で協力につなげていけることは可能かもしれません。 それにしても、大きい変化の裏には、必ずきらり輝く人がいる。道がなければ道をつくればいいと思い、その一念がこれほどまでに大事であるかということを今回の勉強で思い知らされました。 以上のようなことから、声なきSOSに向かうひきこもり支援には、粘り強いアウトリーチが必要だということです。本市においても、コミュニティソーシャルワーカーの存在の必要性を思いますが、いかがでしょうか。 コミュニティソーシャルワーカーの活動には住民参加の必要性があることから、現在、社会福祉協議会に委託している我が事・丸ごとの地域づくり推進事業を充実させることで支援ができる体制を築けるのか。現在、ひきこもり支援を行っている保健対策課において充実させていけるのか。生活困窮者自立支援制度のもとで充実させるのか。 8050問題において、実は一番情報が入るのは地域包括支援センターの生活支援体制整備事業の中であることから、支援員の方からは、支援先において、40代、50代のひきこもり状態の方を見つけても、事情はさまざまで、どこに相談していいのかわからない、本来の業務に打ち込むためには、中高年のひきこもりの支援を包括的にできる機関が欲しいとの声も上がっています。 本年7月には、明石市において、ひきこもり相談支援課が設置されました。また、先日、12月3日、兵庫県では、中高年のひきこもりの当事者や家族をサポートするために、心理士常設のひきこもり総合支援センターが開設され、実態調査を含め、支援活動に本格的に乗り出すというニュースが流れておりました。 ひきこもり状態の方の実態を把握し、アウトリーチできる体制づくりについて、本市としてのお考えをお示しください。 以上で再質問とさせていただきます。(拍手) ○副議長(松本哲郎君) 尾花市長。 〔市長尾花正啓君登壇〕 ◎市長(尾花正啓君) 6番西風議員の再質問にお答えします。 女性のがん対策・支援について、助成制度を導入する自治体はふえており、本市においても前向きに導入に向けて取り組みをお願いしたいと思うがどうかとの御質問でございます。 私は、全ての方が、がんに関する正しい知識を持ち、避けられるがんを防ぐことや、がん患者が安心してがん治療を受け、がんと向き合いながら社会生活を続けていける社会であるべきだと考えます。 議員御提案のがん治療に伴う医療用ウイッグや乳房補正具購入への助成制度は、がん治療を受けながら、就労を初めとする治療前と変わらない社会生活を続ける上で、特に女性が自分らしく生きることを支援する取り組みだと感じています。 本市としましても、今後、頑張ってがん治療に向き合っている方々が尊厳を持って自分らしく安心して暮らせる社会の実現に向け、支援について検討するとともに、国や県にも働きかけてまいります。 以上でございます。 ○副議長(松本哲郎君) 森井副市長。 〔副市長森井 均君登壇〕 ◎副市長(森井均君) 6番西風議員の再質問にお答えします。 ひきこもり支援体制について、ひきこもりの状態を把握し、アウトリーチできる体制づくりについて、市の考えはどうかとの御質問です。 現在、本市では、民生委員・児童委員や地区社協の方々が、ふだんの活動において、さまざまな困難を抱えている人に寄り添い、相談や支援を行っておられ、ひきこもりの相談を受けやすい状況にあります。 それらの情報は多様で、市が対応する窓口も多岐にわたりますが、いち早く、漏れなく受けとめられるよう体制を強化することにより、ひきこもりの方の実態把握に努めます。 また、ひきこもりに携わる職員や関係者がひきこもりに関する認識を共有できるよう、スキルアップを目指した研修を実施してまいりたいと考えております。 アウトリーチできる体制につきましては、和歌山県ひきこもり地域支援センターとの連携強化や、現在、行っているひきこもりサポート事業、我が事・丸ごとの地域づくり推進事業、生活困窮者自立支援事業の内容の充実などを含め、和歌山市にとって最良のあり方について研究してまいります。 以上でございます。 ○副議長(松本哲郎君) 佐伯健康局長。 〔健康局長佐伯正季君登壇〕 ◎健康局長(佐伯正季君) 6番西風議員の再質問にお答えします。 女性のがん対策・支援について、メッセージなど工夫して、しっかりと目にとまるような勧奨を行う必要があると思うが、目標の受診率20%を達成するための今後の対策を示されたいとの御質問です。 厚生労働省では、検診未受診者の健康意識と健康行動を解析することにより、個々の心理特性を踏まえたタイプ別のメッセージで呼びかけるリーフレットを利用することで受診率の向上を図る取り組み等を推奨しています。 本市でも、今年度、年代別に受けるべきがん検診をわかりやすく示したメッセージ性の強いリーフレットを作成し、かかりつけ医などの医療機関を通じて、医師から勧奨していただく取り組みを行います。 今後は、医療機関だけではなく、個別受診勧奨通知においても受診への行動を強く語りかける受診勧奨を行うとともに、本市と連携協定を締結している企業とも協力して、目標の受診率20%を目指してまいります。 以上でございます。 ○副議長(松本哲郎君) 宮崎福祉局長。 〔福祉局長宮崎 久君登壇〕 ◎福祉局長(宮崎久君) 6番西風議員の再質問にお答えします。 ひきこもり支援体制について、本市においてもコミュニティソーシャルワーカーの存在は必要ではないかとの御質問です。 コミュニティソーシャルワーカーのような、地域で困っている人を支援するため、地域の人材や制度、サービス、住民の援助などを組み合わせたり、新しい仕組みづくりのための調整やコーディネートを行ったりする方は、支援する人と支援を必要とする人を結びつけたり、公的制度との関係を調整したりする上で重要な役割を担っていただけると考えております。 また、公的機関との関係を調整しやすい方が地域と行政の間にいてくれることは、問題対応の際の連携のスピードが速くなるため、そのような方の存在は市にとって有益なことであると考えております。 以上でございます。 ○副議長(松本哲郎君) 6番。 〔6番西風章世君登壇〕(拍手) ◆6番(西風章世君) それでは、御答弁いただきましたので、再々質問をさせていただきます。 女性のがん対策・支援についてですが、私の周りにも、乳がんや子宮がんを患い、早期発見、早期治療により、元気にもとの生活に戻られた方も多くいます。 検診がどれほど大事であるか、令和5年に受診率20%を達成するために、未受診の方に届く勧奨と対策をと強く要望いたします。 医療用ウイッグ、補正具購入助成金については、働きながらがん治療を行う女性の方々は心身ともに疲れているのです。私の知人は、私は人より強い人間だと思っています、抗がん剤治療により髪の毛が抜けても、ああ、こんなふうに副作用が出るのだと冷静に受けとめていました、でも、いざ外出しようとしたときはためらいました、しばらくは外出はできませんでしたと話してくれました。 女性の社会参加、活躍を阻むことのないように、疲れた心に少しでも行政が光を届けることができるよう、どうか一日も早い助成金制度の導入を要望いたします。 次に、ひきこもり支援体制についてです。 コミュニティソーシャルワーカーは市にとって有益であると考えるのに、支援体制づくりの中には出てきませんでした。 多岐にわたる相談事に、いち早く、漏れなく受けとめる体制を強化して実態把握する。職員、関係者のスキルアップのための研修をする。アウトリーチについては研究する。この支援体制で和歌山市の8050問題は解決できるのでしょうか。 市長、市長は頭もよくて、心も強くて、行動力があって、私は市長のことはとても尊敬をしています。でも、市長、人間って、市長のように心が強い人ばかりではないのです。 でも、私は市長の優しさも知っています。弱者を助けるのが、市長、福祉の仕事です。その市長の優しさに私は期待をして、最後に尾花市長の心ある答弁に期待をして、私の一般質問とさせていただきます。御清聴、大変にありがとうございました。(拍手) ○副議長(松本哲郎君) 尾花市長。 〔市長尾花正啓君登壇〕 ◎市長(尾花正啓君) 6番西風議員の再々質問にお答えします。 ひきこもり支援体制について、8050問題を解決するために、市長はどう考えるのかとの御質問でございます。 8050問題は、ひきこもりの長期化などにより、若年層の子が中高年の世代となる一方、親も高齢化し、働けなくなったことにより、貧困に陥る場合も多くあります。そういった状況においても、みずからSOSを出せず、社会から孤立していることなどが深刻な社会問題であると認識しております。 そのため、日々、地域で活動しておられる方々がじかに接して得られる情報は大変重要であり、そうした情報のやりとりがしやすくなるよう、常日ごろからの関係づくりに努めることが必要であります。 また、ひきこもりとなった原因や現在の状況や環境によって、市の対応する部署が異なってくるという課題もあります。しかし、市の組織の都合により、問題解決のための対応がおくれてしまってはならず、全庁的な意識の統一を図る必要があります。 福祉の問題においては、時には組織横断的な課題に直面する場合がありますが、議員御指摘のような、職員みずからも輝く人となって、決してどこか任せの対応にはしない、そして私自身も解決に向けて全庁的に取り組んでまいります。 以上でございます。 ○副議長(松本哲郎君) しばらく休憩します。          午前11時35分休憩   ---------------          午後1時10分再開 ○副議長(松本哲郎君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。 日程第2の議事を継続し、質問を許します。中村朝人君。--2番。 〔2番中村朝人君登壇〕(拍手) ◆2番(中村朝人君) こんにちは。本日最後の質問者となります。よろしくお願いします。 議長のお許しをいただきましたので、通告に従い一般質問をさせていただきます。 まず、学童保育について。 9月議会において、学童保育の民間委託が突如議案に上がってまいりました。日本共産党市会議員団は、突然の方向転換であり、利用者にも指導員にも全く知らされていないことや、民間委託すれば全てが解決できるような説明は無責任であり、拙速過ぎる、計画的な人員配置を初め必要な予算配分をすべきだとして反対をいたしました。 その後、説明会や事業者の公募が終了し、今後、受託業者の選定や委託の可否が問われることになります。しかし、直営として引き続き運営することになった場合はもちろんですが、委託されることになった場合でも、実施主体である行政の学童に対する取り組みの姿勢が問われることに変わりはありません。 さて、現在、学童保育事業が直面している課題の一つについて、指導員の不足が挙げられていました。およそ12校23学級で、人数的にぎりぎりということ、青少年課の職員が応援に出ていること、加配の必要な学級への支援に手が足らないなど、確かに危機的な状況です。しかし、その対応が、指導員からの紹介や校舎内モニター、市報、ハローワーク等での人員の確保に努めたということでした。私は、この問題は、集め方の工夫の問題ではなく、雇用のあり方そのものだと思います。 この間、いろいろな方にお話を伺いましたが、職場環境は決してよいとは言えないことや、指導員や保護者と行政の間の信頼関係が損なわれているようなお話も伺いました。 また、子供の安心と安全、そして成長を保障できる保育環境を提供するという責任の重い職種である学童保育の指導員が、代表で時給980円、補助員で850円と、これは余りに低過ぎるのではないかといった意見もありました。 私は、お話を聞く中で、今、若竹が抱える一番の課題は、行政の学童保育に対する姿勢そのものではないかと感じています。 学童保育は、安心して子供を預けられる環境の整備を求める保護者の切実な要求に基づき、子供の生活の場として整備がされてきました。保護者による共同保育として広がった経緯もあり、子供の生活の場を大変な苦心をしながら運営されてきた学童はたくさんあるようです。 しかし、今回のような形で民営化ということになれば、企業の利益につながらない場合は、保育の質の低下や指導員の待遇の悪化もしくは撤退するということなどもあり得るといった影響が指摘されています。そのため、運営主体がいずれであっても、条例の遵守や放課後児童クラブ運営指針に基づいた運営が求められます。 そこで、お伺いします。 1、公募の状況はどうなっていますか。どのような企業がふさわしいと考えますか。 2、保護者及び指導員の皆さんへの説明会は、どのように開催されましたか。また、回数や参加人数、意見など、状況はどうだったでしょうか。ふさわしい規模で実施されたとお考えでしょうか。 3、民間委託により人員不足が解消されるとのことですが、放課後児童健全育成事業を行うに当たっては、指導員や補助員の専門性や継続性などを考慮し、ふさわしい資格要件と、それに見合った正規職員としての雇用を仕様書に明記すべきだったのではないかと思いますが、今後、プレゼンテーション及びヒアリングを行う際には、その点をしっかり位置づける必要があると思いますが、いかがですか。また、子供たちと信頼関係を築く上で、専任であることは欠かせないと考えますが、いかがですか。 4、放課後児童健全育成事業の役割として位置づけられている子供たちに提供すべき生活の場とはどのようなものでしょうか。また、健全な育成とはどのようなものでしょうか。 5、現在の指導員等の処遇について、保育士などと比較してどうか。子供たちが安心できる生活の場を保障できるものとなっているでしょうか。 6、企画評価委員の構成はどうなっていますか。 7、プレゼンテーション及びヒアリングを公開すべきではないでしょうか。非公開としている理由は何でしょうか。 次に、平和問題についてです。 11月23日、ローマ・カトリック教会のフランシスコ教皇が来日し、26日までの4日間、滞在をしました。その間、長崎、広島を初め各地を訪問し、国際的な平和や安定に向けての発信を行いました。 長崎、広島では、恐怖と相互不信を土台とした偽りの確かさの上に平和と安全を築き、確かなものにしようという解決策は、人と人との関係をむしばみ、相互の対話を阻んでしまうものです。国際的な平和と安定は、相互破壊への不安や、壊滅の脅威を土台としたどんな企てとも相入れないものですとして、核兵器や大量破壊兵器による抑止力を否定しました。また、今、拡大しつつある相互不信の流れを壊さなければならない。相互不信によって、兵器使用を制限する国際的な枠組みが崩壊する危険があるとして警鐘を鳴らしました。私も同意見です。 現在、世界的にも核兵器の廃絶の流れが大きくなっています。2017年7月、被爆者を初めとした多くの人々の核兵器廃絶への強い願いが実を結び、核兵器禁止条約が国連で採択されました。その後、核兵器禁止条約に署名した国は80カ国、批准した国は34カ国になりました。発効に必要な数の50カ国に届きつつあります。 平和首長会議においても、「この条約を実効性のあるものとし、核兵器のない世界を実現させるためには、核保有国及びその傘の下にある国を含む全ての国が条約を締結しなければなりません。この署名により、核兵器を廃絶することこそ今後のあるべき姿だという平和を希求する声を世界に広げ、全ての国が早期にこの条約を締結するよう世論を盛り上げていきましょう。」として、条約の早期締結を求めています。 また、ヒバクシャ国際署名は、およそ1,050万筆、首長からの署名は、都道府県と市町村を合わせ1,200筆を超えています。この署名は、被爆者の方々が、後世の人々が生き地獄を体験しないように、生きているうちに何としても核兵器のない世界を実現したいとして始まったものです。この思いは、署名活動に限らず、核兵器廃絶のための被爆者の皆さんの全ての運動の根底にあるものです。 しかし、戦争被爆国である日本の政府は、核兵器禁止条約の批准を拒否するなど、この思いに背を向けたままです。 原爆投下から70年以上がたち、被爆者の方々がどんどん高齢化しています。数年前、広島を訪ね、お話を伺いました。被爆者から直接被爆体験を聞くことができる最後の世代ですとして、この体験を後世に伝えていただきたいと言われました。原爆による被害をこのまま風化させてはいけないと、新たに語り部などの活動を始められている方もいると聞きますが、時間の流れに逆らうことは難しいことです。この日のために体調管理に気を配っていても、当日、体調を崩される方も少なくないと伺いました。 和歌山市でも、被爆体験を語り、核廃絶の運動を続けてこられた方は多くいます。先日、原水協の事務局長にお話を伺いました。しかし、最近では、皆さん寝たきりで、とても活動に参加できない状態だとのことです。以前、私がお話を伺った方も、ことし3月に亡くなられました。 来年、2020年でヒバクシャ国際署名は国連に提出され、一応終結することになります。これまで、市長は、この署名について、国際状況も考慮し、取り扱いも含め、核廃絶を伝えることができる方法を考えていきたいと発言されていますが、ぜひともこうした被爆者の方々の願いに応えていただきたいと思います。また、被爆者の思いや核兵器による悲惨な歴史を後世に伝えていく、この取り組みも強めていただきたいと思います。 また、先日、ある方にお話を伺いました。この方のお母さんが通っていた歯医者が閉院したということで、別の歯医者さんへ行き、被爆者手帳を提示したところ、それが何であるか理解してもらえなかったとのことでした。手帳について、一から説明するのに苦労したことはもとより、原爆による被害の歴史が風化しているのではないか、このことが心労につながったのではないでしょうか。 確かに、そうした手帳が使われること自体が珍しいため、知らないというのもいたし方ないことと言えるかもしれません。しかし、原爆投下から70年以上、さまざまな辛苦を耐え忍んできた方に対し、今になって無用な負担がかかることは避けられればと思います。 そこで、お伺いをします。 1、核兵器に対する市長の認識とその廃絶の必要性についてお答えください。 2、核兵器廃絶国際署名など、核廃絶に向けて取り組む被爆者の皆さんを初めとする国民の思いをどのように受けとめていますか。 3、ヒロシマ・ナガサキの被爆者が訴える核兵器廃絶国際署名について、国際状況を配慮しとのことでしたが、来年、国際署名が終結することを踏まえ、現在の核兵器廃絶に向けた世界的な流れをどのように受けとめていますか。市長自身が署名し、廃絶に向けて牽引する姿勢を示していただきたいと思いますが、いかがですか。 4、平和事業について、さまざまな学習、経験の機会となるため、充実を図ってはどうでしょうか。広島平和バスについて、例えば碑めぐりや被爆者の方との交流など、メニューをふやすなど取り組んではどうでしょうか。 5、医療機関など、被爆者健康手帳を目にする機会が減少していることもあり、受付などで提示しても理解を得られないことがあります。周知を行ってはどうでしょうか。 以上お伺いして、第1問とさせていただきます。(拍手) ○副議長(松本哲郎君) 尾花市長。 〔市長尾花正啓君登壇〕 ◎市長(尾花正啓君) 2番中村朝人議員の一般質問にお答えします。 平和問題について、私に3問いただいております。 1、核兵器に対する市長の認識とその廃絶の必要性について。2、核兵器廃絶国際署名など、核廃絶に向けて取り組む被爆者の皆さんを初めとする国民の思いをどのように受けとめているかとの御質問でございます。一括して御答弁します。 日本は、世界で唯一の被爆国であり、広島、長崎では大変多くのとうとい命が奪われました。今なお、放射能の影響により、心身に苦しみを抱える被爆者の方々や国民の共通の思いは、このような惨禍が二度と繰り返されないことであり、私も核兵器なき社会の実現を強く望んでいます。 次に、ヒロシマ・ナガサキの被爆者が訴える核兵器廃絶国際署名について、国際状況を配慮しとのことだが、来年、国際署名が終結することを踏まえ、現在の核兵器廃絶に向けた世界的な流れをどのように受けとめているか。市長自身が署名し、廃絶に向けて牽引する姿勢を示していただきたいと思うがどうかとの御質問でございます。 国連に提出された核兵器廃絶決議案は、26年連続で採択されており、核兵器なき世界の実現を目指すことは引き続き重要であると受けとめています。 本市としましては、恒久平和の実現が重要であるとの認識から、平成4年5月1日に日本非核宣言自治体協議会に、平成22年5月1日に平和首長会議に加盟しており、今後も引き続き参加してまいります。 ヒロシマ・ナガサキの被爆者が訴える核兵器廃絶国際署名につきましては、国際状況を配慮しながら考えてまいります。 以上でございます。 ○副議長(松本哲郎君) 津守教育局長。 〔教育局長津守和宏君登壇〕 ◎教育局長(津守和宏君) 2番中村朝人議員の一般質問にお答えいたします。 学童保育について7点いただいております。 まず1点目、公募の状況はどうなっているか。どのような企業がふさわしいと考えるか。2点目、保護者及び指導者への説明会はどのように開催されたのか。また、回数や参加人数、意見など、状況はどうだったか。ふさわしい規模で実施されたと考えているかとの御質問です。一括して答弁いたします。 現時点で参加申請はもう締め切っており、複数の事業者から申し込みを受けている状況です。市としましては、子供たちが自主性、社会性、創造性を培い、心身ともに健やかに育つことができる継続的、安定的な若竹学級の運営が可能な事業者を求めています。 保護者説明会については、全保護者に対して、あらかじめ文書で概要を通知した上で、説明会を5回開催し、延べ参加人数は114名でした。指導員説明会は5回開催し、延べ参加人数は217名でした。 保護者からは、利用時間や利用料等について、また、指導員からは民間委託後の勤務条件等についての質問がありました。今後の若竹学級の運営に生かすことができる意見を当事者から直接聞くことができ、有意義な説明会であったと考えています。 次に、3点目です。 指導員や補助員の専門性や継続性、それにふさわしい資格要件、正規職員としての雇用を仕様書に明記すべきであったと思うが、今後のプレゼンテーション及びヒアリングでしっかり位置づける必要があると思うがどうか。また、子供たちと信頼関係を築く上で、専任であるべきと考えるがどうかとの御質問です。 指導員につきましては、仕様書において、放課後児童支援員の資格を持った者を各学級1名以上配置することを条件とするとともに、現に雇用している者を最大限継続雇用するよう努めることを求めています。また、仕様書には、専任の必要性については明記しておりません。 4点目です。 放課後児童健全育成事業の役割として子供たちに提供すべき生活の場とはどのようなものか。また、健全な育成とはどのようなものかとの御質問です。 子供たちに提供すべき生活の場とは、家庭のかわりとなるような、子供たちが安心・安全に過ごせる場所であり、健全な育成とは、遊びなどを通して自主性及び社会性を培っていくことであると考えています。 5点目です。 現在の指導員等の処遇は保育士等と比較してどうか。子供たちが安心できる生活の場を保障できるものとなっているかとの御質問です。 指導員と保育士とは、業務内容や所持すべき資格等が異なるため、処遇については一概に比較することはできませんが、県が実施する研修への参加を義務づけるなどし、子供たちが安心できる生活の場を保障できるよう、指導員としての資質の向上を図っています。 次に、6点目、企画評価委員の構成は。7点目、プレゼンテーション及びヒアリングを公開すべきではないか。非公開としている理由は何かとの御質問です。一括して答弁いたします。 企画提案評価委員は、和歌山市調達契約に係るプロポーザルの実施に関するガイドラインに沿って、放課後児童健全育成事業を所管する局長及び関連する部局の課長以上の職員を選んでいます。 プレゼンテーション及びヒアリングは、一体的に実施するので、審査の公正を図るために非公開としていますが、事業者選定におけるスケジュールや仕様書、審査結果等はホームページ上で公開し、できる限り透明性を確保します。 以上でございます。 ○副議長(松本哲郎君) 和田市民環境局長。 〔市民環境局長和田年晃君登壇〕 ◎市民環境局長(和田年晃君) 2番中村朝人議員の一般質問にお答えします。 平和問題について、平和事業について、さまざまな学習、経験の機会となるため、充実を図ってはどうか。広島平和バスについて、例えば碑めぐりや被爆者の方との交流など、メニューをふやすなど取り組んではどうかとの御質問です。 本市では、核兵器の怖さと戦争の悲惨さを実感し、非核平和への理解と認識を深めてもらうことを目的として、広島平和バス事業、家族で平和を考える親子映画会や原爆写真展を実施しています。 広島平和バス事業では、広島市に原爆が投下された8月6日に開催される平和祈念式典への参列、非核平和への理解と認識を深めるための被爆体験者の講話会への参加、本川小学校平和資料館や原爆ドームの見学を行っています。 この事業は、1泊2日の日程上、限られた行程の中で新たな行程を組み込むことは難しいため、参加者の意見を聞き、内容の検討を行いたいと考えています。 以上でございます。 ○副議長(松本哲郎君) 佐伯健康局長。 〔健康局長佐伯正季君登壇〕 ◎健康局長(佐伯正季君) 2番中村朝人議員の一般質問にお答えします。 平和問題について、医療機関など被爆者健康手帳を目にする機会が減少していることもあり、受付などで提示しても理解を得られないことがある。周知してはどうかとの御質問です。 被爆者健康手帳事務の所管は和歌山県になっております。市としましては、被爆者の心情を考え、県に対し、さらなる周知を要望してまいります。 以上でございます。 ○副議長(松本哲郎君) 2番。 〔2番中村朝人君登壇〕(拍手) ◆2番(中村朝人君) それぞれお伺いいたしましたので、再質問をさせていただきます。 まず、学童保育についてです。 公募については締め切ったということで、複数の事業者から申し込みがあったとのことです。どのような企業がふさわしいとお考えなのかということについては、自主性や社会性などお答えいただいております。もう少し、市の考える学童の形を示していただければと思いますが、この点には後で触れたいと思います。 さて、説明会ですが、保護者に対しては、回数が5回、参加人数は114名、指導員に対しては、回数が5回、人数が217名の参加だったとのことです。利用している児童数は3,000数百人いると伺っていますし、指導員は460人ほどいらっしゃると聞いております。来年度の新入生への周知はどうだったのでしょうか。いずれも有意義だったとのことですが、この規模で本当にしっかり説明が果たされたとお考えでしょうか。 質問の中身については、利用料金や利用時間、勤務条件など質問があったとのことですが、そのほかにも、指導員の処遇改善について、人材確保について、事故などにおける責任の所在など、多くの質問が出されていたと伺っています。 私も、保護者や指導員の方にいろいろとお話を伺う中で、当然、突然の話でとても驚いているという声とあわせて、これから学童がどんなふうになるのか、委託業者はどこになるのか、心配する声を伺っています。今後の選定過程においては、意見、要望を反映させるためにも、十分な規模での開催が必要なはずです。 放課後児童クラブ運営指針によれば、「放課後児童クラブは、常に保護者と密接な連携をとり、放課後児童クラブにおける子どもの様子を日常的に保護者に伝え、子どもに関する情報を家庭と放課後児童クラブで共有することにより、保護者が安心して子どもを育て、子育てと仕事等を両立できるよう支援すること」ができる。少し中略をしますが、最後に「子どもの生活の基盤である家庭での養育を支援することも必要である。」としていて、保護者と放課後児童クラブの連携が強調されています。 にもかかわらず、この大きな方向転換に際し、本来ならもっと事前に説明があるべきではないかと思います。アンケートもとってこられたようですが、委託の問題が示されていないアンケートには疑問が残ります。 また、保護者や指導員とともに学童をつくっていくことを思えば、開催回数についても、一支援の単位ごとに保護者も指導員も交えて行うなど、丁寧な対応が必要ではないでしょうか。時間の問題など、行政の都合が優先され、保護者や子供たちに向き合った対応とは思えません。 放課後児童健全育成事業としての役割などについてもお伺いしました。継続性や安定性といったことも含めて考えたいと思います。 継続性や安定性というのは、学童が子供たちの家庭にかわる生活の場であるということから、指導員の顔ぶれや運営主体がかわることは望ましくありません。特に、採算性の問題により、指導員の処遇を含め、保育環境が変わるなどもってのほかです。 また、人手不足に対応するために委託するとのことですが、急な欠員に対し、その場しのぎではなく、その若竹の保育計画や子供たちの状況がよくわかる方が望ましいと思いますし、そもそもそういうことのないよう、安定した雇用が求められるのではないでしょうか。 さて、健全な育成とは、遊びなどを通じて自主性や社会性を培っていくという御答弁でした。 少し考えてみたのですが、指針によれば、健全な育成とは、子供の最善の利益を考慮し、権利を守ることのようです。遊びを通じて、それも主体的な遊びを通じて、子供の権利を尊重しつつ、自主性や社会性を培っていくことだと思うのですが、その中で危険があったりけんかをしたりするのだと思います。それを、大人が一方的に抑えるのではなく、子供の話をよく聞き、意思決定を尊重しつつ、安全への備えや発育を促していくことが大切なのかなと個人的には思いました。 これを踏まえて、幾つかお伺いしてきたお話について触れたいと思います。 子供がけがをしてしまったことがあったのだが、保護者の人とよく話をして信頼関係を築いていたのに、職員の方が保険の話ばかりをしてこじらせてしまったという指導員の方のお話や、また、子供がけんかしたときに、指導員の方がどっちも悪いと問答無用で話を終わらせてしまう。何十人の子供を2人で見ているのだから仕方がないのかなと思いつつも、不信を募らせた経験を話してくださいました。学童に求められる役割が実践できていない部分があるのではないかと感じます。 それから、この際、いただいた御意見もあわせてお伝えをしたいと思います。 指導員の方からです。 一つは、最近、職員の方が余り見えられない。昔は、もっと足を運んでくれたのにという御意見でした。これには続きがあります。頑張ってくれてるとは思う、忙しいのかなと思う、こういった御意見もあわせて、市に対する市の職員の皆さんの大変な状況を憂いているという意見と思います。また、市は学童を放り出したんだと、こういった厳しい御意見までありました。そのほか、あと一人配置をふやしてほしいということや、カウンセラーの配置を求める意見もありました。 安心・安全という点についても、危険からの保護や、それを察知する力を養うという側面、また、体の異変をうまく伝えられなかったり自覚できなかったりする場合もあるでしょうし、そうした健康状態にも配慮する必要があります。 そのためには、やはりしっかりと寄り添い、信頼関係をつくっていく、この取り組みはどうしても不可欠ではないでしょうか。 年齢に応じての発達や、一人一人にそれぞれの発達があり、それを保障していくためには知識や経験は欠かせませんし、子供たちとの信頼関係は何よりも重要であるべきだと思います。また、保育環境を充実するために、日々の保育日誌や週間、月間の保育計画も作成し、きめ細やかな保育を提供する準備が必要だと感じます。日々、保護者と情報を共有することも大切だと思いますし、保育を提供するために十分な体制が必要だと思います。 指導員と保育士の処遇の比較についてですが、資格や業務内容が違うので差があるとのことですが、業務内容を考えれば、同じ水準の技能や知識を求めなければならないと思います。 学童保育連絡協議会が2014年に行った実態調査によれば、保育士や教諭などの資格を有している方は全国で約65%となっているようです。これは、社会的に学童の運営にはこうした資格が必要というのが、働く側も預ける側もそういった認識を持っているということだと思います。 保育士さんについては、こちらもなかなかなり手がないのは周知の事実です。求められる責任の大きさに比べ、その待遇の悪さが募集しても集まらない原因です。保育士の方ですら集まらないのに、待遇が一層悪い学童となればなおさらではないでしょうか。資格が違うから処遇が違って当然と言われると、学童に対する姿勢が疑われます。 今後のプレゼンテーション等に関してですが、資格を持った者を各学級1名以上配置することや、現在に雇用している者を最大限雇用するよう努めることを求めているとのことです。資格要件については、保育士や教員資格、高等学校卒業者等であり、2年以上、放課後児童健全育成事業に類似する事業に従事した者などがあります。しかし、こうした要件をさらに緩和しようとする意見もあります。 このような状況で、単に資格を有しているかどうかだけでなく、やはり専任で配置できるよう、正規の職員として雇用することが求められます。 評価委員については、全て市の職員とのことです。いろいろと伺ってきましたが、保護者や指導員のお話も含め、市の学童に対する姿勢は、子供の最善の利益を追求しているようには思えません。そんな中で、職員の皆さんだけで審査するというのは、本当に子供たちのためになる選択がされるのか、心配です。 プレゼンについては、非公開というのは仕方のない部分もあるかなと感じるところもありますが、やはり不安が拭えません。 そこで、お伺いをします。 1、国においても処遇改善の予算措置がされていますが、背景についてどのように認識していますか。また、活用についての検討はどうだったでしょうか。 2、若竹の運営に当たり、民間のノウハウを取り入れ、質の向上を図る以前に、市としてどのような学童を目指すのか。運営指針をどのように受けとめているのか。また、市としても指針の内容を深め、指導員や保護者と共有し、和歌山市の学童保育をつくるべきではないでしょうか。 3、外部からの有識者を招くべきではないでしょうか。 次に、平和問題について。 核兵器については、市長のおっしゃるように、直接的な殺傷力だけでなく、後々の身体への影響が著しく、一発の使用で、幼い子供を初め非戦闘員を含む数十万人の方が犠牲になる、極めて無慈悲で非人道的で、その残虐性は他の追随を許さないものです。国の始めた戦争により、さまざまなものを犠牲にされながらも、その日その日を精いっぱい暮らしている方々の生活も未来も、全て一瞬で奪い去りました。 このような大量破壊兵器ですから、ほとんどの方は、市長のように、核のない社会を望んでおられると思います。しかしながら、さまざまな考えもあり、核廃絶の実現は、まだできておりません。 日本政府が提案した決議案については、近年、批判的な意見が上がっています。2017年には、決議案に対し、オーストリアから、「決議案は核兵器禁止条約という歴史的な事実を反映していない」などと指摘、「将来の決議が均衡を取り戻すことを望む」と日本に再考を求めました。また、エクアドルは、「意欲的でないということにとどまらず、総意が得られた文言を変えようとしており、危険なものだ」、南アフリカからは「深刻な逸脱」と指摘があります。ブラジルは、「核廃絶の取り組みにおける嘆かわしい後退」として棄権を表明しました。翌年には、「昨年の日本の決議案の文言が失望すべきもので、後退だった。ことしも、同じ方向にさらに踏み込むものだ」と指摘をしました。 ことしの決議案の文言が変更されたことについて、核保有国の賛成を得るために譲っていいものではないとして、唯一の戦争被爆国である日本の立場が問われると、こういった声もあります。 いろいろな立場やお考えもあると思いますが、核廃絶運動は、どこの誰であっても二度と原爆による被害にならないようにと運動を積み上げてきた結果、国際的な世論という水準にまで広がりました。 本市においては、広島平和バス事業や写真展等々を行っており、こうした活動も核廃絶の発信に通じるものがあるかと思いますので、ぜひ充実を図っていただきたいと思いますが、御答弁にもありましたように、主な目的は理解と認識を深めていただくことだとされています。尾花市長におかれましては、ぜひ具体的な行動で核廃絶に向けた姿勢を示していただきたいと思います。 被爆者健康手帳については、事務の所管が和歌山県とのことで、周知を要望いただけるとのことですので、よろしくお願いします。 2018年11月3日の時点ですが、和歌山市で被爆者健康手帳を保有している方は103名でした。法定区分別には、第1号が80名、2号区分が11名、3号、4号でそれぞれ6名となっています。最高齢の方は100歳を超えています。なお、3年前は113名でした。こうした状況も踏まえ、今後の活動に取り組んでいただきたいと思います。 そこで、お伺いをいたします。 1、被爆者の皆さんが置かれている状況をどのように捉えていますか。運動に報いるためにも、一日も早い核廃絶に向けての具体的な行動が求められるのではないでしょうか。 以上お伺いいたしまして、再質問とさせていただきます。(拍手) 〔副議長退席、議長着席〕 ○議長(井上直樹君) 尾花市長。 〔市長尾花正啓君登壇〕 ◎市長(尾花正啓君) 2番中村朝人議員の再質問にお答えします。 平和問題について、被爆者の皆さんが置かれている状況をどのように捉えているか。運動に報いるためにも、一日も早い核廃絶に向けて具体的な行動を求められるが、どう考えるのかとの御質問でございます。 原爆投下から74年が経過し、被爆者の方々の高齢化が進み、歴史の伝承を考えなければならない時期に来ており、本市が行う事業の一環として広島市、長崎市と連携を図り、核兵器なき社会の実現に向け、行動してまいります。 以上でございます。 ○議長(井上直樹君) 津守教育局長。 〔教育局長津守和宏君登壇〕 ◎教育局長(津守和宏君) 2番中村朝人議員の再質問にお答えいたします。 学童保育について3点いただいております。 国においても処遇改善の予算措置がされているが、背景についてどのように認識しているか。また、活用についての検討はどうだったかとの御質問です。 処遇改善として、放課後児童支援員キャリアアップ処遇改善事業が平成29年度に追加された背景は、勤続年数と研修実績に応じた処遇改善を行い、指導員の継続的な勤務を促進するとともに、経験と研修の積み重ねにより資質向上を図ることを目的としたものであると認識しています。 本市では、平成29年度に賃金単価の改定を行いましたが、交付要件である基本給制をとっていないため、当該交付金の対象とはなりませんでした。 次に、民間のノウハウを取り入れ、質の向上を図る以前に、市としてどのような学童を目指すのか。運営指針をどのように受けとめているか。また、市としても指針の内容を深め、指導員や保護者と共有し、和歌山市の学童保育をつくるべきではないかとの御質問です。 放課後児童クラブ運営指針は、放課後児童健全育成事業を運営していく上での全国的な標準仕様として作成されており、子供の育成支援についての具体的な内容が記載されていますので、本市においても、これを踏まえて運営していくべきと認識しております。よって、指導員全員が子育て支援員研修あるいは放課後児童支援員認定資格研修を受講するとともに、職員が現場への巡回指導を行うことで放課後児童クラブ運営指針の趣旨を反映できるようにしているところです。 最後に、外部からの有識者を招くべきではないかとの御質問です。 本市のガイドラインにのっとって委員を選任しており、放課後児童健全育成事業あるいは関連する事業を熟知している職員による適切な評価が行えるものと考えています。 以上でございます。 ○議長(井上直樹君) 2番。 〔2番中村朝人君登壇〕(拍手) ◆2番(中村朝人君) それぞれ御答弁いただきましたので、再々質問させていただきます。要望のみでございます。 平和問題については、核廃絶に向けて、さまざまなアプローチがあると思います。近い将来、尾花市長なりの方法で核廃絶を牽引する姿を切望したいと思います。 次に、学童保育について。 処遇改善に係る国の予算については、御答弁では、キャリアアップ処遇改善事業に触れられ、基本給制をとっていないため対象にならないとのことです。このほかにも、放課後児童支援員等処遇改善等事業などもあり、これは18時30分以降の開設が求められるため、これも要件に合わないのだろうと思います。 背景について、指導員の継続的な勤務を促進するとともに、資質の向上を図ることを目的としたものなどとの認識とのことでした。これについては、厚労省の放課後児童対策に関する専門委員会で次のような記述があります。「放課後児童支援員の職務には、子どもとの直接的な関わりのみならず、育成支援の計画や、保護者、学校や地域との連絡など、様々なものがある。これらの職務が確実に行われるよう、放課後児童支援員の処遇改善が望まれる。また、子どもとの安定的、継続的な関わりが重要であるため、放課後児童支援員の雇用に当たっては、長期的に安定した形態とすることが求められる」とありました。 今の学童に求められるものを提供するために、業務内容の改善やその職務に見合った処遇の必要があるというのが到達なんだと思います。本市においては、要件に合わないとのことですが、学童に求められている継続的なかかわりが重要で、長期的に安定した形態の雇用が必要なんだとの認識を持っていただきたいと思います。 運営指針については、趣旨を反映できるようにしてまいりたいとのことです。また、熟知した職員により、適切な評価が行えるとのことです。それならば、なぜ人手不足の事態がこのように顕著になったのか。保護者も指導員も置き去りになるような、足早に駆け込むような対策をとらなければならないのか。 会計年度任用職員制度の課題があり、時間をかけて議論されてきたということも言われておりましたが、その時点で保護者や指導員、有識者を交えて検討会議を行うなどの取り組みもできたのではないでしょうか。 3,000人を超える子供たちの家庭にかわる生活の場がかかった大切な制度です。一層熟考するよう要望して、一般質問を終わります。ありがとうございました。(拍手) ○議長(井上直樹君) お諮りします。 本日の会議はこの程度にとどめ延会し、明12月6日午前10時から会議を開くことにしたいと思います。これに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(井上直樹君) 御異議なしと認めます。 よって、そのように決しました。 本日はこれにて延会します。          午後1時52分延会   --------------- 地方自治法第123条第2項の規定によってここに署名する。 議長    井上直樹 副議長   松本哲郎 議員    宇治田清治 議員    中尾友紀 議員    松井紀博...